テーマ
今回のテーマはホメオスタシスについてです。
ホメオスタシスとは日本語で「恒常性」と呼ばれており、体の状態を一定に維持することを意味しています。
例えば、外の気温が低い寒い場所にいると恒常性が働き、体を震わすことで体温を上げ、一定の体温を保とうとします。逆に暑いところに行けば、汗をかくことで体温を下げようとします。
その他にも睡眠と覚醒の関係もそうですし、空腹感と満腹感の関係、交感神経と副交感神経の関係もホメオスタシスが働いています。
ホメオスタシスはシーソーのようなもので、片側に傾けば、その後自ずともう片方に傾くイメージがわかりやすいかと思います。
ずっと夜中寝ずにいたら、いずれ眠たくなりますよね。反対にずっと寝ていたとしたら、そのうち目が覚めてしまいます。
そしてここからが面白いところですが、このホメオスタシス、実は「快楽と苦痛」でも同様の働きを見せます。つまり快楽を追い求めれば、その後に苦痛が押し寄せます。これは反対に苦痛を経験すれば、その後に快楽がやってくるというわけです。
例えば、外で1時間走ってヘトヘトになった後、水を飲むことを想像してみてください。ただの水がとても美味しく感じられませんか?
ここから幸福感とはどんな楽しいこと・幸せなことをすることに本質があるわけではなく、どんな苦しいことをするかにあると言えるのではないでしょうか。苦痛と快楽の落差にこそ、幸福の本質があるのではないでしょうか。
今回はこの考えを元に、快楽を快楽と認識できるようにあえて苦しみを選択することについて話し合います。
課題
「快楽と苦痛」が脳の同じ位置で処理され、ホメオスタシスの働きによって恒常性を保っているのであれば、苦しいことをした後には楽なことが待っている、と言えます。
「楽あれば苦あり」ではなく「苦があるから楽がある」といったところでしょうか。
そこでいろんな苦痛を受け入れるために日常生活の中でどんな苦痛をあえて選択できるのか。これについてアイデアをたくさん出しましょう。
幸せになりたいから幸福に直結するようなことを求めている・楽な方に流れてしまう・また反対に辛いことばかりでボロボロになってしまっている、そんな方に新たな視点を与えられるトピックなのではないかと思います。
自己成長したい方にはぜひ知っていただきたい考え方なので、知識をご自身の日常生活にまで落とし込めるようアイデアを出していくことが今回の課題です。
参加前に考えてみてほしい視点
ホメオスタシスが働いている具体例
ホメオスタシスはどんなことで働いているでしょうか。一般的には体内のバランスを取るものとして認識されていますが、家族を一つの生命体というように考え、各個人が家族としてバランスをとるために振る舞いを変えたりするというようなこともあるようです。
シーソーのように働くこのホメオスタシスは他にどんなことで働いているでしょうか。
苦痛の選択
苦痛の後に快楽が待っているのなら、どんな苦痛を選択しますか。
身体的に苦しいことをするのが良いのか、それとも精神的に苦しいことを探すべきなのか。
自己完結的な苦しみなのか、人間関係の中で生まれる苦しみを選択するべきなのか。
いろんな苦しみがあると思います。その中でどういった苦しみを選択するのが良いと思いますか。
幸福観について
あなたの幸福観はどんなものですか。
今回のトピックで幸福とは快楽と苦痛の落差だと定義しましたが、それが絶対的なものだとは主張するつもりはありません。平凡な日常の中に存在する幸せもあると思います。
快楽と苦痛の落差が幸せの定義だとした時、幸せとは比較の中でしか存在しえないという考え方ができるかと思います。快楽を継続してしまってはそれを快楽とは認識できなくなってしまう。つまり幸せを認識できなくなってしまうのではないかと。
幸福観は比較の中でしか存在しないとした場合、それは自身の中での苦痛と快楽の落差を意味していますが、他人との比較の中で得られる幸せもあるのでしょうか。
幸せとは主観的なものなので、定義することが難しいですが、それぞれの幸せの定義をすり合わせることで見えてくることがあるかもしれませんね。
我慢することについて
苦痛の一つに我慢することがあると思います。何かを我慢することで、ようやくその我慢から解放された時に大きな幸福を感じることができるのではないでしょうか。
中毒症状をなくすためには中毒の原因になっているものを断つことが必要ですが、現在はこれを実行するのがとても難しい時代になっています。
スマホのことを考えてみてください。スマホで莫大な時間を溶かしてしまっている方もいらっしゃるかと思いますが、スマホを使わない1日などあるでしょうか?
必要に迫られて利用しているものがまさに中毒の原因となっている時、どうやって利用を我慢することができるのでしょうか?
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